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令和6年度 第33回「栃木の自然と生活」結果

 2024年4月21日(日) 令和6年度 第33回「栃木の自然と生活」が栃木県文化会館3階第一会議室にて開かれました。 県内8支部及び個人会員からの応募総数60名、約170点の中から金賞に輝いたのは高山尚子さん(烏山支部)の作品「過去へ誘う」でした。 おめでとうございます。

審査員の鈴木是清さんの総評及び上位10点の作品と講評を掲載いたします。

審査員: 関東本部委員 鈴木是清氏

総評 : 今回から入賞入選ラインが40点から20点に減少していますので、今までより厳しいコンテストに成っています。60名の会員の皆さんから思いこめた作品、170点余り寄せられ、どの作品も意味が有り大切な視点だと思います。技術的な優劣はありますが、内容の深さ、きめ細やかさ、視点の独自性の中にストーリー、歴史、時代性、ひとと人との関わり、そして自然との関わり、時の流れ、過去、今、未来、夢、希望を強く感じられたもの、そういう観点から芸術性の細かい点など評価しました。県本部の皆さんから、日本の自然、全日本写真展、国際写真サロンをはじめ、その他のメジャー全国公募展にチャレンジして下さる事と、入賞の知らせを皆さんから聞ける事を楽しみにしています。これからは会員皆様の更なるレベルのランクアップの作品を期待し会員の親睦を深めて行きたいと思います。

金 賞 「過去へ誘う」 高山尚子(烏山支部)

廃校らしい雰囲気を蒸気機関車や風土記で誘いつつ、レトロな電球の中に昔懐かしい思い出の教室の情景が、しかも、あの時の楽しいかった時間を示す時計がタイムスリップを誘うかのように映り込んでいる。そこから発想飛ばした3枚目の映像が見事にはまり、いかにもタイムスリップしたかの様に過去の、あの時間に戻ったかのような錯覚に捕らわれてしまう表現になっていて、ドラマのストーリーシーンを見ているようです。

朝日新聞社賞 「美脚」 吉田文彦(横川支部)

 つららを見事なフレーミングで独自の発想力で脚に見立てて、飛沫を上手く利用して走る美脚の様にも見え、動きの有るスピード感の有る作品に、又、版画のアート作品の様にも、発想の豊かさを感じる作品です。

全日本写真連盟賞「神舞師」佐川栄治(那須支部)

 文化伝統を護る1人1人の神聖な雰囲気、風格、誇り、などが1枚1枚の作品から滲み出ていて未来へ継承続けて行く事の大切さを訴えて来ます。モノクロでフルサイズのプリントも作者の意図主張に膨らみを持たせ味わいのある作品になって伝わって来ます。

銀賞 「行者の火渡り」伊藤辰明(那須支部)

 仏写画を見る様な瞬間、仏が降りて来た。仕草動作、色合いが次元の違う世界に入った瞬間を肉眼では見えない仏の領域を捉えた様な作品である。飛び込んで来た行者、太陽光が臨場感を増し、尚一層、その世界に誘われてしまいそうです。

銀賞 「今尚現役」 田中睦子(烏山支部)

 高齢化の時代を捉えています。3枚共シワ、変形した手元に生きてきた、永い歴史をそれぞれに語っています。でも、未だに働いている手に温もりと生命の尊さを感じ、尊敬の念にかられてしまいます。

銅賞 「晴れの予感」北向 誠(横川支部)

 走り去るトラックのエンジン音、国道の雑踏が迫って来る。夕日と虹、絶好のシチエーションを捉えている。今の好景気日本を表す流通時代を暗示させる作品ではないかと思ってしまいます。

銅賞 「街の喧騒が戻る川上幸生(足利支部)

 永いコロナ禍で日常生活も変わり、異様に静かだった街も、今日、この頃は賑わいを増し、通常の日常に戻りつつある。その状況を何気ない普通の通りで普通の情景を捉えている事に、この作者の鋭い視点、価値、意味が有ると思います。

銅賞 「茅の輪作り竹内栄二(個人)

 日本文化を過去から未来へ継承する難しいこの頃、大切に護り続けて行く人達の心がこの表情から伝わって来る。作者の一コマ一コマ派手さはないが細やかな視点で仕草動作表情を観察しながら地元文化を継承する人々の心音を捉えています。

栃木県本部長賞春の風物詩本多シツカ(那須支部)

 大地と人の共存、3枚の写真から感じる。この大地に住まわして頂いている心がお地像様を祀り感謝の意を表している場面、最後のシーンの一枚が自然と人との関わり合いの大切さを表している。

栃木県本部委員長賞「収穫」管野千代子(那須支部)

 丹念に育てた作物を大切に抱え遠く見える軽トラに、猫背の後期高齢者の御婦人では容易な事では、今の農村を表している。広角で誇張し、御婦人の人生の歴史の歩みなどを暗示させているところに、この作品の深みとなっている。

入選

「あかんべえ」 湯ノ口忠夫 (佐野支部)

「火祭り」 小林トミ子 (横川支部)

「湖沼の妖精降臨」 瀬戸清次郎(那須支部)

「新学期」 江川 清 (横川支部)

「少年の日」 新井辰男 (足利支部)

「夏の思い出」 北崎英信 (サン支部)

「青空に舞う」 渡部久恵 (横川支部)

「創:1200度の窯変」 片柳 忠(宇都宮支部)

「静寂」 仲澤正男 (烏山支部)

「朝のローカル沿線」 相澤和夫 (烏山支部)

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