令和7年度 第34回「栃木の自然と生活」結果

 2025年4月20日(日) 令和7年度 第34回「栃木の自然と生活」が栃木県文化会館3階第一会議室にて開かれました。 県内8支部及び個人会員からの応募総数57名、約164点の中から金賞に輝いたのは金澤 誠さん(サン支部)の作品「遅刻遅刻~」でした。 おめでとうございます。

審査員の関東本部委員 鈴木是清さんの総評及び上位10点の作品と講評を掲載いたします。

審査員: 関東本部委員 鈴木是清氏

総評 : 被写体として映らないものをどう伝え表現するか、どのコンテストもそうですが、上位入賞しているものはほとんど、そこが表現されています。主題の被写体から発せられるイマージネーション、プラスアルファがないと、今の時代には上位は難しく成っています。カメラ技術を駆使した見栄えした写真や有名ポイントの絶景、良く見る表現は、それは抑えとしては良いのですがオリジナリティ、プラスアルファがないと画面の外へのイマージネーション、メッセージ、例えば、想像、内容、ストーリーの発展性が伝えられた作品が良い評価をされていますね。

 流行りのイベントのティラノサウルスの主役たちのカラフルな着ぐるみで異次元と現代の狭間の不思議さがユーモラスに表現されています。人の手をのぞかせ手提げ袋に参加者の急いでいる心情が伝わって来て、広角で恐竜の大きさに変化をつけ、ユニークさと建物の対比が良く、時代性や新鮮さが際立っています。

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 けして、派手ではないが里の人達が大切に護り続け継承されてきた、この雰囲気から伝わってきます。雨が里自体のふんいきを良く出していて、山車を運ぶ一人ひとりの表情に愛が感じられる。フレーミグも良く画面の隅々まで整っている作品です。

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 2枚組のハイビジョンのフレーミングで諏の良い日本画風の花鳥風月屏風絵を見ている様な錯覚さえ感じる作品です。画面のトーンのグラディーション、気嵐と水鳥の軌跡と水没林、水面の写映の朝光、良い出逢いを捉えています。季節が渉りゆく狭間の物語が伝わってきます。

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 狐の面を斜に白塗りの狐化粧、それに白塗りにムラが有り、味をだしている。長老の笑顔に永年続けて来た誇りの人間味が溢れていて、この祭りの継承の歴史を感じます。

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 夕暮れの雰囲気も良く出ていて、厳かな雰囲気の中、輪をくぐる人をスローシャッターの人物のブレが、祈願する想いが感じる表現に成っています。

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「人が大地に住まわしていただいている。」感謝の念。野焼きによって自然の新しいいぶきが・・・、大地が有るから人は暮らせる。人と大自然の共存が描かれています。

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 仏画の様な見事なシチエーション、この世とは思えない仏の世界に、次元の違う所に迷い込んだような不思議な世界が表現されている。現実にこの場に出逢えて捉えた作者も見事だと思います。虹が二重成って写っています。

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 しだれ桜と梅の花と桜木にそれぞれの表情、や状況が違い、その土地で時代も変わり三者三様の時の流れが有り、風雪に耐え、移りゆく歴史を語っているかのようです。人の暮らしと大地の自然との共存、かかわり合いを表現されています。

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 卒業式の日、柔らかな日差しの縁側で記念写真、横座りに卒業証書を持ち、家族の「おめでとう」の声に、笑顔でふり向く表情が愛らしく、少女の明るい未来が見えてくる様です。日常的な背景を選んだ事も素晴らしいですね。

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 3枚共、時とシチエーション替え、コウノトリの生態をドラマチックに表現されています。撮影技術を駆使し巣づくり、子育て営みなど捉えた物語が伝わり、巣立って行くストーリーが見えてきます。

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「雨にも負けず」櫻木賢治 (佐野支部)

「闇夜に響く御神火太鼓の咆哮」半田智彦 (宇都宮支部)

「咲いたね 桜」涌井明男 (サン支部)

「帰り道」大岡博美 (個人)

「夕ぐれどき」平野 洋 (高根沢支部)

「対岸の火事???」高山尚子 (烏山支部)

「未来を繋ぐ」大越 昭 (横川支部)

「お出かけ」小林トミ子 (横川支部)

「夏の合宿」新井辰男 (足利支部)

「過去への旅」福田秀幸 (那須支部)

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